MicaSense AtlasとRedEdgeによる雑草検知

 
 

雑草の検知は困難な課題だ。雑草が作物と類似していて作物と同じ生育段階にある場合は特に難しい。カリフォルニア州のセントラルバレー地方のブドウ園では、Atlasの雑草レイヤを利用したユニークなアプローチで、収穫物の品質を改善すると同時に雑草検知のコストを5割削減した。

すべての雑草は同じではない

「ボランティアヅル」という形態の雑草は、ブドウ栽培者へ特殊な難題を突き付ける。「ボランティア」という言葉は、農地で栽培しているまたは接ぎ木したのとは異なる種のツルを指して用いられる。時に、接ぎ木よりも下の部位から新たな発育が見られることがあり、この新しく発芽したツルが、望まれる接ぎ穂に代わって育っていく。農地に埋もれ、農地の他の作物と同じように成長していくこれらのツルを見つけるのは難しいことが多い。

ブドウを収穫する人の目からすると、ボランティアヅルは他と相違ないように見える。色、粒の大きさ、房の大きさ、成熟時期が同じだからだ。(ボランティアヅルの熟した紫ブドウ)

ブドウを収穫する人の目からすると、ボランティアヅルは他と相違ないように見える。色、粒の大きさ、房の大きさ、成熟時期が同じだからだ。(ボランティアヅルの熟した紫ブドウ)

ボランティアヅルは一旦成長すると、農場運営に悪影響を及ぼすことになる。他の雑草と同様、ボランティアヅルは、水、栄養素、光と空間の面で栽培したい作物の競争相手となるからだ。さらには、ボランティアヅルは食用ブドウには適さない、酸っぱくて種がある房を実らせてしまうのに、それらが収穫されて売りに出される可能性があり、顧客や販売業者が、その栽培者から購入するのをためらう原因になりかねない。

カリフォルニア州のセントラルバレーにあるこの農園にとっては、ボランティアヅルの存在が一つの懸念となっていた。ボランティアヅルは、植えられた種類と見た目が同じで、同時期に成熟していくためだ。この栽培者にとって、こうしたツルが存在する場所を見分けて検知する能力が最優先の懸案となり、MicaSense Atlasのレイヤを利用することは、ボランティアヅルを見つけて除去するための重要な一戦略となった。

MicaSense Atlasを利用してツルの変種を見分ける

注意してみると、ボランティアヅルは小さめで滑らか、ツルツルした葉と締まった樹皮を持っていることがわかる。それに比べ、栽培している種類は、葉が大きくやわらかで艶が少なく、薄目の緑色をしており、緩めの樹皮を持っている。

これらの違いは一目ではわかりにくいのだが、Ag OnPoint, Inc.のクリス・タイセン(Chris Thiesen)氏は、マルチスペクトルデータを利用すれば2種の葉における緑色の違いが簡単に見分けられる可能性があることに気づいた。タイセン氏は、MicaSense RedEdgeを使って農園をマッピングし、収集した画像をMicaSense Atlasで分析することを提案した。

Leaves from the planted variety on are large with less shine, and lower chlorophyll levels..jpg
Weinblatt der Unterlagsreben.

上記は、艶が少なくクロロフィルのレベルが低い、栽培されている種類。下記は、ボランティアヅルの葉。

最初の手順は、ボランティアヅルが既に見つかっていた農地を使い、Atlasでボランティアヅルを見つけて印をし、GPSタグを付けることだった。その後、ボランティアヅルがまだ見つかっていない別の農地へAtlasワークフローを適用した。

MicaSense Atlasの雑草検知レイヤは、植物のクロロフィル含有量に基づき、雑草と栽培したい作物とを分別し検出するのに役立つよう設計されている。各レイヤは、異なるバンドの組み合わせと色合成からなっており、作物の種類を見分けるだけでなく、クロロシスの早期発見にも役立つ。

クロロフィル含有量の変動を検知する雑草1のレイヤを使ったところ、タイセン氏らは、既に発見されていたボランティアヅルすべての検知に成功し、さらに、農園の北東側の隅に未発見だったボランティアヅルも見つけることができた。

雑草1のレイヤでは、クロロフィル含有量の高いボランティアヅルは、より明るい赤色で示されている。

雑草1のレイヤでは、クロロフィル含有量の高いボランティアヅルは、より明るい赤色で示されている。

この手法を用いることで、別の農園ではボランティアヅルの可能性がある場所が26カ所検出され、そのうち18カ所がボランティアであることが確認された。残りの8カ所の内、3カ所はセイバンモロコシで、5カ所は平均よりも健康な栽培種だった。

結果

タイセン氏が用いた雑草検知レイヤは、ボランティアヅルを検出する上で効果的だっただけでなく、コストの削減にも繋がった。小規模の農園内を人に歩かせて、ボランティアヅルを見つけ出そうとした場合、合計525ドルの出費となったはずだ。代わって、RedEdgeとAtlasの利用にかかった費用は250ドルで、農園にとっては275ドルの節約となった上に、多大な収穫量のロスも防ぐことができた。

275ドルは大した額ではないように思われるかもしれないが、ボランティアヅルを的確に検知し制御できないことは、ブドウ園にとっての大きな弊害となる。収穫に対する影響だけでなく、翌シーズン以降の顧客や販売業者を失うことになりかねないからだ。

Atlasの利用により、農業者は正しい情報をもとに判断を下し、人手や資金を的確に使い、農園運営を効率化し、収穫量と品質の改善に繋がる適切な戦略を選択することができるようになる。